しっとりとした光沢をもち、手に口に、優しくなじむ漆の椀。日本をはじめとしたアジアの山地では古くから、漆を掻き、塗り、日々の生活の中に活かしてきました。食器や家具、住居、装身具など日常のものから、儀礼の道具や宗教建築にも使われます。漆と人の歴史は、実に1万年以上前にさかのぼるといわれ、世界各地の民族の装いや道具、所作を撮影・研究してきた井上耕一さんは、1980年代よりそうした「漆文化圏とでもいうべき地帯に通い、写真におさめ、また漆器も収集してきました。今回は、井上さん所蔵のバリエーション豊かな漆製品約100点を現地の写真や映像も交えて展示され、漆とともに生きる人々の暮らしを見ることができます。
▼関連プログラム
スライドトーク「国境に分断された山地民を訪ねて」
井上耕一さんによる、漆からアジアの山地で出会ったものや人々の話を、スライドを見ながら語ります。
9月8日(土) 14:00〜15:30
講師:井上耕一(デザインリサーチャー)
参加費:500円(ミャンマー烏龍茶付き)
定員:50名(申込先着)
申込:公式ホームページの申込フォームまたは電話(03-5432-1543)にて。
卵と漆のワークショップ
漆器の塗料としての役割だけではなく、金継ぎなど接着剤としても使用されてきた漆。
卵の殻を漆で接着させる卵殻漆器の技法で、和紙のカードに模様を描きます。
9月15日(土) 13:30〜16:30
講師:うるしさん(漆作家ユニット)
参加費:1,000円
定員:20名(抽選)、高校生以上対象。
申込:9月3日(必着)までに公式ホームページの申込フォーム、または往復ハガキにて。
上映会「日本の漆、ミャンマーの漆」
人間国宝の漆芸家・磯井正美氏が、蒟醬(きんま)技法のルーツとされる
ミャンマーを訪ねる『磯井正美のわざ―蒟醬の美ー』ほか1作品を上映。
10月6日(土) 第1回:13:00〜14:15 第2回:15:00〜16:15
参加費:無料
定員:各回50名(当日先着)
●日時: 2018年9月1日(土)~10月21日(日) 9:00〜20:00
●場所: 生活工房ギャラリー(世田谷区太子堂4-1-1)
●関連URL:世田谷文化生活情報センター生活工房