黒人音楽の源流となった「ニグロ・スピリチュアル」。その歴史は、西アフリカからアメリカに連れてこられた、さまざまな部族の黒人奴隷たちが、それぞれの言葉が違っていて意思疎通するため英語を覚え、キリスト教を知り、聖書に触れ、学んだことから自分たちなりの言葉をメロディーにのせ、歌ったのが始まり。その多くは、神がイスラエルの民に与えると約束した「約束の地」カノン。自由を求める彼らにとって天国にも等しい存在のカノンに神とともに歩めば、いつかは行ける。彼らの歌は、その重いに溢れています。
しかし、一見神の加護を求め、神への賛美に満ちているようにおもえるニグロ・スピリチュアルは、実はまったく違った内容を持っているのです。世界的な遺産であると言われるニグロ・スピリチュアル。それぞれの歌詞の深い意味と、貴重な映像などを参考にしてスピリチュアルの真実の物語が、作家・東理夫さんより紹介されます。