1952年、第2次世界大戦の敗戦後間もないドイツの国立科学映画研究所で、ある壮大なプロジェクトが始まりました。その名は「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」（以下、ECフィルム）。世界中の知の記録を集積することを目指した、“映像による百科事典”です。
以降40年余りの歳月をかけ、研究者やカメラマンが世界各地に派遣され、その地に生きる人々の暮らしや儀礼、動植物の生命活動をフィルムに収めました。映像の総数は、実に3,000タイトル以上。
生活工房ギャラリーで行われている今回の展示では、映像群から「住処」「音楽」「料理」「儀礼」「ひも」などのキーワードで拾い集め、約70作品を会場内のあちこちに投影しています。そして、毎日映像のフィールドワークを開催。さまざまなゲストを迎えたり、映像を見ながら実験を行っています。映像のなかの世界をひもとくように探索しながら、そこで生まれた来場者の問いと気づきがどんどんと展示に反映されていきます。過去からのメッセージを未来へとつないでいく、参加型の展覧会です。お見逃しなく。

▼関連プログラム
トークセッション「とる、みる、つかう。―暮らしの中の記録と表現、その現在形」【終了】
誰もが毎日大量の「記録」を残す現代。記録とはどんな意味を持ち、誰に受け渡していくものなのか。
生活工房とともに記録映像のプロジェクトに携わる方々と語り合いながら、その問いに向き合います。
日時：3月24日（日）14:00〜16:30　
参加費：無料／50名（申込先着）
申込：生活工房ウェブサイトの申込フォームより

EC音楽映像傑作選上映会「うたと生きている」
ECフィルムの中から、現地の生活の中の歌や祭りの歌、遊びの歌を記録した映像を選び、上映します。
日時：3月30日（土） ①13:00〜14:30 ②15:30〜17:00
参加費：500円／各回50名（当日先着）