2019年4月27日(土)〜6月23日(日) 用賀【『ある編集者のユートピア』世田谷美術館】

2019/04/24

編集者、ウィリアム・モリス研究家として知られる小野二郎さん。出版社・弘文堂に入社した小野さんは大岡信や澁澤龍彦などの『現代芸術論叢書』の編集を担当し、1960年には仲間とともに晶文社を立ち上げました。晶文社時代には、ヴァルター・ベンヤミンやポール・ニザンなどの著作をいち早く紹介するほか、ジャズやロック、映画関連の書籍なども出版。その後、平野甲賀の装幀による本が出版社の顔となりました。いっぽうで、大学教授として英文学を講じる教育者でもあり、19世紀後半のイギリスで活躍したウィリアム・モリスの思想を説き、石山修武ら建築家に大きな影響を与えました。

今回の展示は、日本を舞台にモリスの芸術運動をめぐる様々な考察を展開させたひとりの編集者と、その周辺の活動を紹介するもの。「ウィリアム・モリス」「晶文社」「高山建築学校」の3部で構成し、小野さんが生涯を通して追い求めた「ユートピア」の思想を探ります。なかでも見どころのひとつとなるのは、小野さんの夢を託したユニークな学校「高山建築学校」の活動を示す諸資料。さらに、その思想的源流となったウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスをはじめ、平野甲賀の装帳、石山修武の自邸「世田谷村」の模型やスケッチ、川俣正の「ピープルズ・ガーデン」のためのプランなどが展開されます。

●日程:2019年4月27日(土)〜6月23日(日) ※月曜休館
●時間;10:00~18:00 (入場は17:30まで)
●場所:世田谷美術館 (世田谷区砧公園1-2)
●関連URL:世田谷美術館 ホームページ

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