世田谷の伝統文化「世田谷ボロ市」。
400年以上も前の戦国・安土桃山時代から継承されてきた大きな古物市「世田谷ボロ市」。はじまりは戦国時代に開かれた楽市でした。徳川時代になってやがて「歳の市」として12月15日、16日と1月15日、16日の4日間に開かれるようになりました。明治20年代になったころ、商品は古着やボロが多くなり、特に着物のつぎやわらじの補強に使われる”ボロ”が安く売られ、その様子から世田谷の「ボロ市」といつしか呼ばれるようになったそうです。
毎年約700店ものお店が出店するボロ市は、世田谷代官屋敷を中心としたその名も「ボロ市通り」で開催されています。普段ボロ市通りにあるお店はもちろん、様々な地域から自慢の品を並べて店を構える人もいます。
ずらっと並んだ店には骨董品・着物・雑貨・食料品などが、これまたずらっと並んでいます。
人溜まりができていたのは、戦前の教科書の前。ぱらぱらっとめくってみたら、先人の学びの跡がそのまま残されていました。こういう瞬間、ここでしか会えないものに出会えるのが“ボロ市”なのです。
来場客は骨董品や着物などを目当てにおじいさん・おばあさんがやはり多いのですが、若い世代や外国人にも大人気。女性はレトロな小皿にきゅんっとしていたり、子供と共に大人まで昔遊んでいたおもちゃやカードゲームに夢中になっていました。
ニャイオン!(ライオンの帽子をかぶったねこ)この子めちゃくちゃかわいかったです・・・。
グルメにも目が離せません。ボロ市名物の「代官餅」は、例年通り両日とも大行列。他にも行列ができる「シャーピン」や世田谷通り沿い「鹿港(ルーガン)」の肉まん・まん頭、普段ボロ市通りにあるお店のボロ市限定メニューなどを頬ばりながら食べ歩きを楽しむ姿が見られました。
夜になっても賑やかさは続きます。夕飯の一品にするのか、豚汁をお鍋で持ち帰る人がいました!女子高生に大人気なきらきら光る「あんず飴」は、優しいおばさんが飴のミツをくるくると回して作り上げます。なんと、くじに挑戦して当たるともう一本もらえるのです!おばさんと若い子たちが笑い合う姿に、ついほっこり。
地元の人がつくるこの優しさが何ものにも代えがたく、これからもずっと続いてほしいと思うのです。(今回は食べられなかった代官餅に、次はどうしてもリベンジしたい!)
来年も再来年もきっと続いてく世田谷の伝統文化「ボロ市」。
次はどんな出会いがあるのか。もう待ち遠しくなります。2018年の冬にまた会いましょう!
(はせがわ)
2018/01/19