「クレオール」という言葉をご存じでしょうか。
もともとは、アメリカ大陸や西インド諸島、アフリカの旧植民地で生まれた人々、
そこで混じり合った文化、言語のことを指します。
島国である日本もまた、遥か昔から多種多様なルーツを持つ人々が行き交い、
混ざり合ってきたことを考えると、この言葉とも無縁ではありません。
“うたう旅人”として活動する松田美緒さんは、このような日本の多様性/地域性を示すキーワードとして
「クレオール」という言葉を用い、CDブック『クレオール・ニッポン』を発表しました。
ハワイやブラジルへ渡った日本人、長崎県伊王島に暮らしたキリシタン、徳島県祖谷(いや)の木びきさん。
労働や祈りの中で歌われてきた暮らしの記憶の数々を、松田さんは自身の歌声を通して鮮やかに再生します。
画一的な日本のイメージとは異なる、歌が映し出す多様な風景は、まさに「クレオール」と言えるでしょう。
本展では、歴史を伝える映像やレコード、そして旅路の記録とともに、松田さんが出会った日本の歌をお聴きいただけます。
市井の人々が歌い継いできた音楽を通して、私たちの暮らしに耳を傾ける展覧会です。
●日程:6月17日(土)~7月23日(日) 9:00~20:00
●料金:入場無料
●会場:生活工房ギャラリー 3F (世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー3F)