特集
この春誕生!暮らしのちいさな起点に出会える場所「松陰PLAT」
世田谷ミッドタウンの中心に位置する松陰神社前に4月24日(日)、新しい場所「松陰PLAT」が誕生します。手仕事の温もりや丁寧にしつらえられたモノに触れること、それらを生活に取り入れることが当たり前の価値観となることを願い、その想いに共感した作家さんやお店が軒を連ねることになりました。今月の特集では、「松陰PLAT」プロジェクトの概要をいち早くお伝えします。
文章:せたがやンソン編集部 写真:松陰PLAT
どんな建物になるの?
アイボリーのぽってりした形と、正面にどーんと伸びる大きな階段、世田谷線を間近で見下ろすようにずらーっとならぶ2階の窓。外から見えるところだけでなく、松陰PLATの建物にはたくさんの工夫がほどこされています。プロジェクトの中心のひとり、建築士の加藤渓一さん(HandiHouse project)に、「こういう場所になったらいいな」の想いを元に設計された松陰PLATの、建築のポイントを伺いました。
「松陰PLATはもともと四方が建物などに囲まれていないという、とても恵まれた立地だったこともあり、それを活かさない手はないと思いました。建物の4面それぞれに役割を与えて、周りの魅力を最大限に取り入れることを考えています。たとえば1階の道路側は、もともと敷地いっぱいに建っていた一角を減築して道を作り、人が建物に沿ってスムーズに歩けるようにしました。また各テナントの開口部は最大限確保し、まちに向かって開かれることを意識しました。正面の大きな階段は世田谷線を降りて目に入る象徴的なものですが、ただの動線ではなく、腰掛けてお茶を飲んだりおしゃべりをしたくなるような、丘のような場所でもあるんです」
2階の線路側の壁にはずらりと窓が並び、世田谷線が走るここだけにしかない風景を取り込みました。テナント・アトリエスペースにはそれぞれドアがなく、全体的に空間の気持ちよさや魅力を感じる作りになっています。そして4つ目の面である公園側に立つ桜の木は、場所を広く取ることを考えれば切った方が良いのかもしれない。でも、昔からあるものだから土地の記憶として遺したいと考え、今年も来年もそのあともずっと、ここで花を咲かせてくれることになりました。そんな未来に、このまちにとって松陰PLATはどんな存在であって欲しいでしょうか?
「松陰PLATは建物として敢えて作り込み過ぎていないこともポイントのひとつです。入居者の方やここを訪れる方自身で、私たちも想像していなかったような使い方や、心地いい場所を見つけてもらえたらと思っています。また、ここがきっかけで松陰神社前に初めて来た人が、商店街の方にも足を伸ばしてみたり、まちで過ごす楽しみを増やしていってくれたら嬉しいですよね。」
建築として完成させず、訪れる人がそれぞれの楽しみ方を見つけられる場所。オープン後にここでどんな景色が広がっているか、とても楽しみです。