ひろきさん・てるよさん

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駒沢大学

環状七号線を西に跨いだ若林で新婚生活をはじめたひろきさんとてるよさん。美容師の二人は三軒茶屋に自分たちのお店をオープンし、一児を授かった。娘さんの成長に合わせて決めた二度の引っ越しは若林、弦巻という愛着のある世田谷ミッドタウン内での引っ越し。三人と愛犬の暮らしから見える地域の魅力とは?

構成・文章:加藤将太 写真:田中誠

若林→若林→弦巻と続いた引っ越し

三軒茶屋で美容室を営むひろきさん・てるよさんご夫妻。現在は小学校低学年の娘さん、愛犬のフレンチブルドッグ“こめこ”と暮らしているが、家族の生活拠点は先日アップしたIndian canteen AMIと同じ弦巻というエリアだ。職場と家の自転車での往復、子育て、犬との生活、そのすべての条件を満たすのが、小中学校と公園が豊富にある住宅街だった。

「弦巻に来るまでは若林に住んでいたんです。結婚を機に若林に引っ越したんですけど、その後も若林内で引っ越しを経験していて(笑)。主人と三軒茶屋でお店をはじめたのが2007年。当時はまだ子どもが小さかったので、生活に必要なものすべてが近い距離にないと不安だったんですよね。それに三軒茶屋ではペット可物件がなかなか見つからなかった。それで若林のペット可物件に決めたんですよ。それから子どもが小学校に上がるってことで新しい物件を探していたら、たまたま弦巻にペット可のテラスハウスがあったんです。地域の様子を見てみたら、公園は子どもたちがたくさんで、家の近所に弦巻児童館もあったので、この子が小学生になったときをイメージしやすかった。私たちが仕事でも児童館だったら一人で遊びにいけますし」(てるよさん)

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娘さんは弦巻児童館に行くと、一輪車や将棋でよく遊ぶそう。室内ではボール遊びもできる弦巻児童館は地域の子どもたちの居場所としていつも賑やか。公園遊びも大好きだ。よく行く小泉公園では噴水の中で水遊びをしたり、遊具で遊んだりしている。

「児童館に行けば誰かに会えるっていう感じですよ。この地域の子どもたちは意外と外で遊んでいるんですよね。小泉公園もいつも賑わっていますし、その雰囲気は他の地域に住んでいたら体験できなかったかもしれないですよね。駒沢公園も自宅から自転車で15分くらいの距離にあって、ドッグランもあるので暑くない時期は毎日行っていました。お店が11時オープンなので、少し前までは毎朝駒沢公園に行って、それから出勤っていうサイクルでした。いつも主人の自転車のカゴに“こめこ”を乗せて出勤しているんですよ」(てるよさん)

自転車はマスト!

自宅とお店を自転車で行き来する毎日。自宅から最寄り駅の東急田園都市線・桜新町駅、東急世田谷線・世田谷駅のどちらにも徒歩10分以上を費やす。ひろきさんとてるよさんは、通勤のために欠かせない自転車は地域の暮らしにも必須だと語る。

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「スーパーまで少し遠くて、そういう面では不便ですね。買い物は上町のオオゼキか弦巻通りのサミットに行きますね。どこへでも自転車でいきますよ」(てるよさん)

「昔は“陸の孤島”って言う人もいたみたいですけど僕は全然。この何もない感じが好きなんですよ。三茶が賑やかなんで、帰ってきたなっていう喧噪を離れる感じが気に入っていて。あとは立派な家が多いから、お金持ちの人が選ぶ街なんだろうなって(笑)。三軒茶屋でお酒を飲んでも1,000円あればタクシーで帰れますし、程よい田舎加減が好きですし、歩道が広くて良いんですよ」(ひろきさん)

「主人は飲むのが好きで。主人の晩御飯が要らないときは大体娘と二人で外食ですね。若林にあったときから行っている『ヒポポタマス』とかかき氷で有名な『雪うさぎ』とか、『今日パパいないから行っちゃう?』みたいな感じで出かけます」(てるよさん)

「雪うさぎに行ってたことは、お店でお客さんと話しているのを聞いて知りましたから(苦笑)」(ひろきさん)

他の家族よりも限られた、貴重な休日

一般的に家族の休日は土日だけれども、家族の休日はなかなか予定が合わない。小学校が休みの土日は出勤、美容室の定休日の火曜に娘さんは夕方まで小学校。それでも週に限られた貴重な休日、家族団らんの時間の過ごし方を聞いてみた。

「家族で休みとなると、時間の関係でどうしても遠出はできないんです。よく行くのは環状八号線沿いの『THE SPA 成城』ですね。あそこのお湯はいいですよ。夏休みとか冬休みなら娘が休みなので、火曜日は丸々どこか行ったりできますけどね」(ひろきさん)

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お休みの日にパパとママがいないと寂しいけれども、「学童に行って友達と会ったり、おばあちゃんが来てくれるから大丈夫」と、娘さんは話してくれた。たまにひろきさんとてるよさんのお店で過ごすこともあるというが、やっぱり仕事のことを離れて家族で過ごせる時間はかけがえのないものだ。

「近所で過ごすことに慣れてしまったから、食べたいものでお店が自然と決まっちゃうんです。焼肉はCossott'e、お好み焼きは古無門ってね」(ひろきさん)

「三軒茶屋に『夕(セキ)』っていう和食のお店があって、そこの2号店『セキ ハナレ』が世田谷駅の近くにあるんです。行きたいなと思いながらまだ行けていないので、今度家族で行ってみたいですね」(てるよさん)

いろいろな想いが詰まった地域

自分たちの生活を成り立たせるために、住まい、勤務地、保育園、小学校も自転車と徒歩でなんとかなる距離の住まいを見つけた。そうやって自分たちで折り合いをつけながら暮らしてきたひろきさんとてるよさんは、改めて「この地域でよかった」と世田谷ミッドタウンでの生活を振り返る。

「実際に娘が保育園で具合が悪くなったとき、お店で休ませながら仕事をしたこともありましたね。そういうことができたのも、このエリアで暮らすことを決めたからであって。すべてがこの地域に収まっていなかったら、ちょっと無理だったかな。余談ですけど、我が家のフレンチブルドッグは2代目なんです。前の子“てんこ”が2年前に亡くなって近所のお寺にいるんです。安心できる地域ですし、いろいろな想いもあるので、これからも住み続けようと思います」(てるよさん)

「弦巻はちょっと自転車でどこにでも出られちゃいますからね。三茶に住んでいたら桜新町に行くのは面倒くさいってなりますけど、ここだったら三茶にも桜新町にも松陰神社にも行ってもいいですし。逆に何もないから、こうやって家族で自転車に乗って出かける気持ちになれる。家の近所なのに、僕だけ知らないお店がたくさんありますから(苦笑)」(ひろきさん)

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休日というよりもひととき。家族全員で過ごせる時間は他の家族よりも限られているけれども、その分きっと家族の思い出も色濃く残っていく。取材の日も火曜日。三人とフレンチブルドッグは、今日はどこに行くのだろうか。

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