特集
世田谷ミッドタウン 華麗なるカレーマップ
夏こそカレー。年々暑さが増す日本の夏には、カレーの力が必要です。スパイスを注入して、体の奥底からみなぎる力を呼び戻しましょう。世田谷ミッドタウンには、カレーラヴァーズからこよなく愛される名店が盛りだくさん。個人店が提供する幅広いスタイルのカレーを、番外含めて全13選のカレーマップに仕上げました。インド、タイ、日本的欧風カレーなどなど、華麗にご紹介。まだまだ夏はこれから!
構成・文章・写真:せたがやンソン イラスト:オガワナホ
三軒茶屋|シバカリー ワラ
日本人店主と二人のインド人シェフによるインドワールド
茶沢通りから一本入った小道を進んでいくと、“インドカレー”と書かれた看板が目に入る。ビルの薄暗い階段を上がっていき、扉を開けると、小さな店内にはインドを感じるエッセンスが散りばめられている。インド料理を手がけるのは二人のインド人シェフ。限りなく現地の味に寄せつつも、日本人の好みに合わせたインド料理を振る舞ってくれる。カレープレートはカレー1種と2種のシンプルなバリエーション。ライスにパパド、ナン、チーズクルチャ、カブリナンなどの組み合わせを選ぶことができる。ライタ(ヨーグルトサラダ)とダール(豆カレー)とキャベツのアチャールがデフォルトの副菜。カレーだけでなく、タンドール料理やスパイスを使った前菜も充実。カレーをサクッと食べるのもOKだが、前菜をつまみにアルコールを飲みながら、じっくりとインド料理を堪能するのもよし。
シバカリーワラ
住所:東京都世田谷区太子堂4-28-6 2F
TEL:080-9432-8200
営業時間:11:45~15:00(14:30 L.O) / 18:00~22:45(21:45 L.O)
定休日:年末年始のみ
ウェブサイト
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駒沢大学|タイカリーピキヌー
スパイスと野菜たっぷりのピキヌー流タイカリー
タイ語で「小さな唐辛子」という意味を持つ“ピキヌー”。人気のグリーンカリーはタイでよく使用されているホーリーバジルではなく、より爽やかに感じられるスイートバジルを使用していたり、ココナツミルク不使用でさっぱりとした味わいのカントリーカリーは野菜の食感やハーブのフレッシュさが活きていて、ピキヌー流にアレンジされた独自のカレーが頂ける。毎年必ずタイに赴く休暇を取り、常にタイの流行の味を吸収している。そこで仕入れた新鮮なレシピを活かしているのが月替わりのアロイだ。取材を行った7月は店主好みの野菜たっぷりにアレンジされたクアクリン(鶏挽肉と野菜のカリー炒め)で、ライスに乗せていただくと、いつもご飯を少なめにしている方でもきっと予想外に進んでしまうことだろう。ちなみに、近隣の学校や会社の方でランチは大にぎわいのため、ゆっくり過ごしたい方は13時以降の訪問をおすすめする。
タイカリーピキヌー
住所:東京都世田谷区駒沢1-4-10
TEL:03-3422-7702(電話予約不可)
営業時間:11:30~15:00(土日祝は12:00~) / 18:00~21:00(L.O)
定休日:火曜・水曜・休日の月曜
ウェブサイト
*香辛料の刺激が強いため小さなお子さまのご入店はできません
駒沢大学|Indian canteen AMI
毎日食べたくなる家庭料理のようなインドカレー
“AMIカレー”の愛称で親しまれる弦巻通りの大人気店。カレーはチキンカレー、さつまいものコザンブ、キャベツのクートゥ、本日のカレーの4種類から1種、または2種盛りを選ぶことができる。副菜とともに彩り美しく盛り付けられたカレーは、スパイスが効いていながらも、毎日食べたくなる家庭料理のような味わいだ。店内はつねに多くの人々で賑わっているが、人気の理由はカレーだけでなく、ほどよい距離感で接してくれる店主の人柄も含めて。今年の4月からディナータイムは短くなったが、通し営業に変わったのはランチ難民にとって泣けるほど嬉しい。ただカレーと向き合うだけでなく、Jose Gonzalez, Adele, Feistといった店内BGMに耳を傾けながら、息抜きを兼ねて過ごしてほしい。
Indian canteen AMI
住所:東京都世田谷区弦巻2-8-15
TEL:非公開
営業時間:[月・金〜日]12:00~19:00(18:00 L.O.) [火]12:00〜15:00(14:30 L.O.)
定休日:水曜・木曜
Indian Canteen AMI Instagram アカウント
桜新町|砂の岬
五感のすべてを使い余すことなく体験したい
店主がインドを旅した際に魅了された景色やその想いを伝えたくて、移動販売を経て2010年に桜新町に誕生した「砂の岬」。開店日は週3日、毎年インドへ赴く長期休暇があり、その体験がリアルに落としこまれて変化してゆく様子に魅了された人々で行列が絶えない。南インド料理をベースとしたミールスで、今回はメインのカレーを2種類選ぶランチコースを選択。マトンが香る力強い味わいのキーマと、夏野菜の旨味が染み入るベジタブルサンバル、季節の食材を使った目にも楽しい前菜盛り合わせと、デザートはカラメルの苦さの中にナツメグがフワッと香るインディアンプリンをいただいた。また、ぜひ注目していただきたいのが空間作りだ。異国の食堂を訪れたような1F、そして旅の行く先々で集めたであろう食器類や調度品で隅々まで作り込まれた2Fは、どこかへトリップしてしまったような非日常空間。砂の岬への訪問は、五感のすべてで楽しんでほしい。
砂の岬
住所:東京都世田谷区新町2-6-14
TEL:080-4248-7720
営業時間:12:00~15:00 / 18:00~22:00(カレーなくなり次第終了)
定休日:月曜〜木曜
ウェブサイト
*年に数か月は海外へ行くため、長期休業期間があります。来店前にウェブサイトにて営業日を要確認。
*4名様以上は要予約。小さいお子様(10歳未満)の同伴はできません。ぜひテイクアウトをご利用ください。
若林|香乃
茶屋の枠を超えて楽しめる場所
若林の老舗「香乃園茶房」の並びにある「香乃」は、いわゆる“お茶屋さん”の枠を軽く飛び越え、甘味のメニューにとどまらず、夕方以降はつまみとお酒が目当ての常連客が肩を並べているなど、街の人に広く愛されている。そんな香乃が誇る人気メニューが、カレーうどんだ。厳選した上質の宗田節で丁寧にとった濃厚な鰹出汁のみを使用した和風カレーうどんは、香りよく優しい出汁のベースにピリッと辛みの効いたスパイスとのコントラストが映える。トッピングには車海老の天ぷらが人気。洋風カレーうどんはスパイシーでいてクリーミー、まろやかなとろみのある程よい辛さで、数十種類の野菜や果物をじっくり煮込んだスープが特徴。フランスパンのトッピングもできるという奥の深さだ。手延べの麺はつるつる・もちもち・しこしこでコシがあり、滑らかな口当たりでファンが多いポイント。熱々のカレーうどんの後に、かき氷(奥秩父源泉天然水を使用)でクールダウンといきたい。
香乃
住所:東京都世田谷区若林1-16-1
TEL:03-6311-0659
営業時間:[月火木金] 11:00~22:00(L.O21:30)[土祝]11:00~17:00(L.O 16:30)
定休日:水曜・日曜・その他不定休。電話でお問い合わせください。
若林|カレーレストラン チャナ
これぞカレーライス! 辛口で食べ応え満点な老舗の一皿
三軒茶屋駅から徒歩10分、バスを利用するなら若林1丁目の停留所で下車してすぐの場所にあるチャナ。お母様が創業した当時から今年で25年目の、激戦区といえる三軒茶屋のなかでも老舗と呼びたいカレーレストランだ。じっくり煮込まれたことでどろりとしたルーと、ゴロゴロの具材が食欲をそそるボリューム満点なカレーは、酸味が強いスパイスをたっぷり使用し、辛口に仕上げられているところがポイント。「控えめ」もあくまで辛口なのだ。特に成人男性から人気が高いという同店だが、女性や年配の方の利用も多いのは胃もたれするような要素がなく、体が喜んで食べてしまう味だからだろう。先代から25年間通っているという常連さんもいるそう。味の仕上げでこだわっているのは塩、そして白米の炊き方だ。カレーに塩と聞くと少し驚いてしまうが、味がまろやかになる秘訣。白米は水分量にこだわり、あえてもっちりふっくらと炊き上げ、日本人が大好きなバランスになっている。
カレーレストラン チャナ
住所:東京都世田谷区若林1-17-1
TEL:03-3411-7259
営業時間:11:30~15:00 / 17:30~22:00 カレーがなくなり次第終
定休日:金曜・土曜
松陰神社前|松波ラーメン店
ラーメンに合うくせになるキーマカレー
再来年の4月で10周年を迎える松波ラーメン店は、もはや世田谷ミッドタウンでは言わずと知れた支那そばの名店。多くのファンを魅了して止まないラーメンや前回の餃子マップで紹介した餃子に加えてメニューにキーマカレーがあることをご存知だろうか。ラーメン用にとるチキンスープと坦々麺用の挽肉を使用するため、「特別なこだわりはなく、店にあるものでできるメニュー」とのことだが、ターメリック・コリアンダー・クミンといったオーソドックスなスパイスのブレンドに加え、ラーメンにも合うように甜麺醤がアクセントになっていて、癖になる味だ。例えば中華料理店で挽肉料理をご飯に乗せて食べるような日本流のアレンジを、日本人が大好きなカレーで表現しているという。ピリッと辛みを感じるが、全体として柔らかい甘味が続き、濃すぎないヘルシーな味わいだ。小盛りのメニューなので、ぜひラーメンと併せて味わってみてほしい。季節限定のラーメンもお見逃しなく。
松波ラーメン店
住所:東京都世田谷区若林3-19-7
TEL:03-5787-8789
営業時間:[月・火・木~土]11:30~14:30 / 17:00〜22:00 [日]11:30~15:00
定休日:水曜、第2・第4木曜