特集
世田谷ミッドタウン 華麗なるカレーマップ
夏こそカレー。年々暑さが増す日本の夏には、カレーの力が必要です。スパイスを注入して、体の奥底からみなぎる力を呼び戻しましょう。世田谷ミッドタウンには、カレーラヴァーズからこよなく愛される名店が盛りだくさん。個人店が提供する幅広いスタイルのカレーを、番外含めて全13選のカレーマップに仕上げました。インド、タイ、日本的欧風カレーなどなど、華麗にご紹介。まだまだ夏はこれから!
構成・文章・写真:せたがやンソン イラスト:オガワナホ
上町|スパイス マジック世田谷上町店
スパイスの丁寧な味わいを家族で楽しめるカレー
世田谷線『上町』駅から世田谷通りを農大方面に歩いて約10分。オーナーのダルジットさんの大きな笑顔が描かれた看板が目印だ。インド人シェフにより調理される豊富な種類のカレーはすべてベースが異なり化学調味料は一切なし。丁寧に炒められた野菜やスパイス、ナッツたちの味わいをそれぞれ楽しむことができる。トマトベースのバターチキンカレーはタンドリーチキンがみじん切りで入っていて、クリームを使用したほのかな甘みで子どもに大人気の一品。0歳でも食べている子どもがいるというから驚きだ。「夏野菜のココナツカレー」は夏になるとこれを目指して来店する方もいると言うほど人気のメニュー。野菜の旨味も引き出され、からだが喜んでいるのがわかる。しっかりと焼かれたナンは、外はパリパリで中はもっちりな満足度高めの食感。特にガーリックナンがおすすめだ。店内ではタンドール(炭火の釜)で調理中のダイナミックな姿を見ることもでき、目でも楽しませてくれる。
スパイス マジック世田谷上町店
住所:東京都世田谷区桜3-25-3
TEL:03-5426-6955
営業時間:11:00~14:30 / 17:00~22:30(L.O)
定休日:無休
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新代田|バサノバ
豚骨と和出汁、そしてココナッツミルクの絶妙な味わい
環七を北上し、新代田駅を過ぎて歩くこと2分。オレンジ色の壁にかかる看板がインパクト大なこちらはラーメン屋だ。店内はステンレス製のカウンターがスタイリッシュで、女性のひとり客も多い。豚骨と和出汁が融合した濃厚な味の看板メニュー「豚濁和出汁ソバ」は、数年前に海外メディアで紹介されたり、2013年に同店がニューヨークに進出したこともあり、国外からも多国籍な人気を誇っている。他にも「ラクサソバ」や「トムヤムソバ」などアジアンなメニューも並ぶが、なかでも男女問わず虜になる客が多いという「グリンカレーソバ」を紹介したい。豚濁和出汁をベースにココナッツミルクが混ざり合うスープはひと口目の一瞬だけ複雑に感じるが、すぐさまその絶妙な組み合わせがくせになり、次々と口に運びたくなる。トッピングのガーリックが効いたチキンも大変美味。ぜひライスを追加してスープを最後まで食べ尽くしてほしい。
住所:東京都世田谷羽根木1-4-18
TEL:03-3327-4649
営業時間:11:30~14:45 / 18:00~25:30(L.O) スープがなくなり次第閉店
定休日:年末年始のみ
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世田谷代田|YOUNG
男も女も悦ばせるセンスとユーモア
「やりたかったのは自分が行きたい店」と話すのはオーナーの梶原英徳さん。デートでお洒落なお店に行くと、ライスの量が少なかったりすることが嫌だった。だから、自分のお店ではライス大盛りを無料に。とはいえ、「YOUNG」は大食い男子のためのお店ではない。しっかりと女性もテンションが高まるような仕掛けも意識している。たとえば、レモン型で整えたライスをカラフルな波佐見焼のプレートにオンザセット。深いコクの欧風カレーソースは美しく収まるよう盛り付けている。「YOUNG」唯一のデザートであるプリンも人気メニューのひとつだ。フォトジェニックでクラシカルなプリンは一気にブレイク。ただし喫茶だけの利用はお断り。フリーのらっきょと福神漬けを添えてカレーと向き合ったあと、甘いものは別腹として味わおう。店主がInstagramで引くに引けなくなった「オペン」の投稿も見逃せない。
YOUNG
住所:東京都世田谷区代田5-1-16
TEL:050-1454-9173
営業時間:12:00~15:00 / 18:00~21:00(20:30 L.O)
定休日:火曜、第3日月曜
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経堂|ガラムマサラ
インドのエッセンスを取り入れて、日本だから楽しめる味を
店主のハサンさんは来日した当時、日本でのファストフード生活にスパイスが恋しくなり、故郷のお母様に国際電話で日本の食材を美味しくアレンジするレシピを聞いていたそうだ。ガラムマサラの名物である鯖缶もそうして誕生したメニューの一つ。1997年に開店以来愛され続けているのは、インド人シェフたちが「現地の再現」をするのではなく、今いるこの場所で「純粋に美味しい物を作る」ことを探求し続けていることにあるのかもしれない。特に夏に人気がある「梅野菜カレー」はトマトと旨み成分が似ているという発見から、梅の酸味を活かした逸品。土鍋で登場するレモンチキンカレーなど、一見「変化球!?」と思ってしまうが、どれもハサンさん流の“進化系”なスパイス料理だ。生クリームを使用していないので、お腹にもたれず、からだにもやさしい。
ガラムマサラ
住所:東京都世田谷区経堂1-22-18 タイムポート経堂2F
TEL:03-3427-1985
営業時間:11:30~14:30(L.O14:00) / 17:30~22:30(FOOD L.O 21:30 / DRINK L.O 22:00)
定休日:木曜日
ウェブサイト
経堂|世田谷クミン
スパイス料理をもっと身近に
2007年にお酒とカレエのお店としてオープンした「世田谷クミン」。経堂駅から徒歩10分ほどの住宅街にあり、地元の家族連れや女性客を中心に人気が高い同店は、「bar クミン」と「Bake cumin」も展開。「スパイス料理をもっと身近に感じて欲しい」という想いの通り、前菜の盛り合わせや定番のカレエには様々なスパイスと旬の野菜がたっぷり使用されており、味はもちろん色や香りなど様々な角度から楽しませてくれる。中でも特に「他にない味」と言えるのは「オリエンタルスープカレエ」だ。タイのグリーンカレエをベースに花椒や八角といった中華のスパイスとクミンやコリアンダーといったインドカレエに使われるスパイス、そして和のエッセンスですりごまがブレンドされた多国籍な味わいで、ごはんの代わりに素麺を入れるのも人気の頂き方。その他ビーガンカレエや乳・卵不使用のスイーツメニューもあり、小さな子ども連れでも気軽に利用できる。
世田谷クミン
住所:東京都世田谷区桜丘1-18-30
TEL:03-5799-7213
営業時間:11:00~17:00 / 夜は予約のみ
定休日:水曜、その他不定休
ウェブサイト / Facebookページ
*建物老朽化のため、2018年3月2日に移転。
喜多見|beet eat
ワイルドなジビエ料理を季節ごとに味わう
beet eatは店主自ら猟に出て仕留めたジビエ料理が楽しめるお店。お昼はカレーのみだが夜はジビエのコース(予約制)もあり、鹿や季節によって猪や熊を扱うメニューも。野生動物は食べているもので味が大きく変わるので猟をするエリアは厳選しているそう。今回いただいたのはランチメニューのカレー全てを食べられる「ビートイートカレープレート」。メインのカレー3種はスパイスの香り豊かなチキンカレー、優しい味わいの豆腐とインゲンの有機豆乳ヨーグルトカレー、レモンの爽やかな酸味があと引くエビとレモンのカレー。その他にシークワーサーサンバル、ジャガイモのカレーがついていてボリューム満点。トッピングの鹿挽肉のキーマカレーは軽い食感で、噛みしめる度に肉の旨みが口に広がる。特別メニューの鹿のビリヤニは、バスマティライスの中にエゾシカの赤身肉がゴロゴロ入り、カルダモンの爽やかな香りと相性抜群。不定期で出される特別メニューも魅力だ。
beet eat
住所:東京都世田谷区喜多見9-2-18 喜多見城和ハイツB1F
TEL:03-5761-4577
営業時間:[金〜火]12:00~15:00(L.O14:30) / 18:30~22:00(L.O.21:30) [木]18:30〜22:00(LO.21:30)
定休日:水曜日、その他不定休
Facebookページ
記事の最後に掲載したのは、世田谷ミッドタウンにアトリエを構えるイラストレーター、オガワナホさんによるカレーマップ。世田谷ミッドタウン パン屋マップ、世田谷ミッドタウン 餃子マップに続く第三弾です。このマップは後日、紹介した各店や地域のお店などで配布します。これを機会に世田谷ミッドタウンをぶらり散歩してみてください。素敵な出会いがありますように。