特集

世田谷パンタスティック! -世田谷ミッドタウン パン屋マップ-

これまで、せたがやンソンの「人びと / はたらく人」で紹介してきたように、世田谷ミッドタウンには個性を感じるお店があふれています。地域を代表する老舗をはじめ、ベテラン・中堅どころ、最近では新しいお店の出店も相次ぎ、それぞれの個性が人と話題を呼び、街の景色をつくってきました。

数ある業種の中でも代表的なひとつがパン屋・ベーカリーです。そこで今回は世田谷ミッドタウンのファンタスティック改めパンタスティック!なパン屋さんにフォーカスしました。合計15選、それぞれのお店の特徴やパンづくりのコンセプトなどをご紹介します。

構成・文章:せたがやンソン イラスト:オガワナホ

ラ・ブランジェ・ナイーフ
あの名店が若林に場所を移して待望の復活

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かつて中目黒・代官山を代表するベーカリーのひとつだったナイーフが、9年のブランクを経て、環状7号線沿いの若林に場所を移して復活した。オープンは2015年9月と間もないが、11月から作り始めた“若林ブレッド”は、早くも“パン・ド・ナイーフ”に並ぶ新生ナイーフの看板商品。自家製の酵母を使っているため100%同じものは二度と作れず、パンの状態はその日の酵母の気分次第で決まる。ときには酸味が出たり、甘く仕上がったりもするという。“シリアルブレッド”は外のサクッとした食感と中のもっちりした食感のギャップに驚く、試食後の購入率が100%に使い人気商品。その他、以前に某テレビ番組で紹介されたことで異常な売上を記録した“ミルクフランス”も健在。かつてのナイーフのファンはもちろん、新たな利用客も楽しめるラインナップとなっている。店前には駐車スペースがあるので、車での買い物もしやすい。

ラ・ブランジェ・ナイーフ
住所:世田谷区若林3-33-16 第一愛和ビル1F
TEL:03-6320-9870
営業時間:10:00~
定休日:火曜、水曜
ラ・ブランジェ・ナイーフ ブログ

 

BAKER’S Pantry(ベーカーズパントリー)
自家製酵母の小さなパン屋さん

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駒沢の交差点近くのお花屋さん「庭の花束」の奥に2015年オープン。余分な材料をできるだけ省き、シンプルかつ、安全で美味しいパンを心がけている。原材料も吟味して素材を確かめたものを使用。小麦粉は「春よ恋」。生地にバターを練りこまないことで小麦の香りを感じられる。酵母も自家製で、基本はヨーグルト酵母、カンパーニュには酒粕酵母、ドイツパンにはライ麦から起こしたもの。物販コーナーでは「パンに合う美味しいもの」をテーマにこだわったセレクトが並ぶ。人気定番商品は“アンチョビオリーブのフォカッチャ”。季節限定“煮りんごとクリームチーズのパン”はおやつにも、簡単なお昼にもおすすめ。クリスマスには、テーブルブレッドとして“全粒粉のリースパン”とお花屋さんとコラボーションでリースパンにアレンジメントが添えられた“オリジナルのリースパン”を発売。全粒粉のリースパンは在庫がある限りは店頭で発売している。アレンジメント付きについては、前もって予約がベストだ。

BAKER’S Pantry(ベーカーズパントリー)
住所:世田谷区駒沢3-5-12
TEL:050-3740-3973
営業時間:11:00-19:00
定休日:月曜、木曜、日曜
BAKER’S Pantry ウェブサイト
BAKER’S Pantry Facebookページ

 

HARU CAFE
研究好きの店主がつくる飽きのこないパン

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人気定番商品、食パンは卵も油脂も入れていない。どうしてもパンはごはんと違って卵や油脂が含まれているが卵と一緒に食べたりジャムをのっけたりしてしまう。だからこそご飯のようにシンプルで食べ続けられる“心と身体に優しいパン”を作っている。食パンだけでなく、小麦粉に炊いたご飯を形あるまま練りこんだもちもちした“ごはんパン”、「HARU CAFÉ」の食パンを使った“あんこクリームサンド”、“チーズと野菜のサンドイッチ”昔のレシピを使用した“マドレーヌ”なども人気。とはいえ店内の商品はどれも人気の定番商品。「やってみてうーん?とおもったら辞めちゃう」という店主の言葉の通り、オープンして4年、飽きないものしか残っていない。だから季節限定商品もない。同じものを繰り返し作っているのだけど他の店にないという“HARU CAFÉのパン”が出来上がった。それは独学で、しかも研究好きな店主だからこそ。店内は飲み物を頼めばイートインも可能。コーヒー好きでもある亭主が選んだオーガニックコーヒーはパンとの相性もぴったりだ。

HARU CAFE
住所:世田谷区新町2-24-17
電話番号:03-3706-2818
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜、月曜(土曜は不定休)
HARU CAFÉ ウェブサイト

 

BAKERY PELTA
良い小麦粉って何ですか?

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店名のモチーフは、中世ヨーロッパで使われていた三日月状の盾。パン生地だけでなく、あんこやカレー、コロッケ、レバーペーストなどの具材やフィリングも可能な限り自分たちの手で! をコンセプトに、子どもたちからお年寄りまで安心して召し上がってもらいたい。そんな店名の由来を聞くと、なんとなく国産の素材にこだわったパンづくりをイメージするが、そうではない。ペルタは作るパンに合わせた素材をセレクトし、例えば小麦粉ひとつを取っても、外麦粉をブレンドすることもある。「良い小麦粉って何ですか?」の問いに、オーナーの松井さんは「美味しいパンになる小麦粉」と素直な答えを返してくれた。人気ナンバーワンは複雑な味わいがクセになる”蜂蜜とブルーチーズ”。”コロッケパン”はパン生地を衣に見立ててジャガイモとひき肉の種を包んで焼き上げる独創的な惣菜パン。見た目が真っ白い低温で焼き上げるしっとり溶けるような菓子パンも珍しい。その他に特徴的なのは”クロワッサン”。11月から5月にかけての期間限定だというが、その理由は製法が手織りだから。手織りだと層をきれいにつくるのが難しいが、一つひとつ異なる表面には個性が表れている。

BAKERY PELTA
住所:世田谷区用賀3-15-6
TEL:03-6805-6628
営業時間:8:30~20:00
定休日:火曜

 

パオン昭月
駒沢の老舗パン屋といえば

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1946年、和菓子屋だった初代が戦後「もう和菓子なんて誰も食べないだろう?」と闇市や配給で仕入れた小麦で作ったパンが始まりだった。祖父から3代、現在のパオン昭月は「お洒落なパン屋さん」というよりも、ふと「今日はパオンでいいか」というような街の人たちにとってごく当たり前の存在で親しみやすいパン屋だ。とにかく種類が豊富で毎日来ても飽きることない上に、朝7時から開店しているので、朝は出社前のサラリーマンや早出のタクシードライバー、夕方には子ども連れの主婦など様々な客層に人気がある。人気商品の期間限定“生クリームあんぱん”はもう20年以上のロングセラー。早い時には午前中で売り切れてしまうのでお昼時までに買いに行くのがおすすめ。また、お店の棚の約半分近くを締める「調理パン」の中でもハムカツは昔からの定番商品。懐かしの味を求めてやってくるファンが多い。クリスマスへ向け、ドライフルーツをたっぷり使い熟成した甘みのあるシュトーレン(予約不要)や、コロネを立ててツリーに見立てたクリスマス限定商品などが並ぶ予定。

パオン昭月
住所:世田谷区駒沢2-18-11
電話:03-3421-4831
営業時間:7:00~20:00
定休日:日曜
パオン昭月ウェブサイト

 

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記事の最後に掲載したのは、世田谷ミッドタウンにアトリエを構えるイラストレーター、オガワナホさんによるパン屋マップ。このマップは後日、紹介したパン屋さんや地域のお店などで配布します。これを機会に世田谷ミッドタウンの散策がてら、その街のパン屋さんを訪れてみてください。パンタスティックなお店とパンと出会えますように。

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