特集
世田谷ミッドタウン MEET THE MEAT マップ
寒くなると温かい食べものが恋しくなりませんか? ジュワッと焼ける音と香ばしい匂いに食欲をそそられるお肉料理。焼肉、ステーキ、ハンバーガー、焼鳥、唐揚げなど様々なお肉料理が楽しめる世田谷ミッドタウンのお店全15選をご紹介します。心までホカホカになる美味しいお肉料理に出会えますように。
構成・文章・写真:せたがやンソン イラスト:オガワナホ
梅ヶ丘|黒板キッチン cui dou laku
家族や友達とみんなで楽しみたい肉料理
ご夫婦二人で営む家庭的なビストロ「黒板キッチン cui dou laku(クイドウラク)」。39年前にコース料理を提供するフランス料理店として始まったが、今はフレンチを基本にした無国籍なアラカルト料理が楽しめる。シェフ一押しの筑波の無菌豚「美豚」を使った「美豚のステーキいちぢくソース」は、肉厚なのに柔らかく、脂の甘みと濃厚ないちぢくソースが絡む。20年近く愛される一皿だ。ご実家の農家から届く無農薬サラダほうれん草と、丁寧に仕込みされた砂肝のスライスがオリエンタルなドレッシングと合わさる「砂肝サラダ」も美味。時代とともに変わりゆく街と年齢を重ねても通い続ける常連客のリクエストに応えながら店を変化させたのは、街を定点で見守り、お店を営み続けた森久保さんご夫婦にとっては自然な流れなのだろう。どれも奇を衒わず個性と優しさのバランスが美味しく、また食べたくなる味。ちょっとしたハレの日に、家族や友達とお肉料理を囲みたい、そう思わせてくれる名店だ。
黒板キッチン cui dou laku
住所:東京都世田谷区梅丘1-9-11 102
営業時間:17:00〜22:30(食材がなくなり次第終了することもあります)
定休日:火曜日
電話番号:03-3426-5277
黒板キッチン cui dou laku ウェブサイト
梅ヶ丘|柴崎亭 梅ヶ丘店
元和食料理人のオーナーによる美しすぎるラーメン
看板に楚々とした小さな中華そばの文字。調布・柴崎から始まった元和食料理人による感性が光る、美しすぎる(そして美味い)と話題のラーメン店が、2019年3月に梅ヶ丘駅のほど近くにオープンした。「厨房はステージ」というオーナーの心得から一段高く設計された厨房を、ガラス1枚で隔てたカウンターから望めるという演出も素晴らしい。「ワンタン中華そば」は、同店のアイコンとなっている美しい麺線と低温調理でしっとり仕上げたピンク色の焼豚、本店から届くお肉たっぷりのワンタンが7つも入る肉好き大満足の中華そば。金曜日限定の「豚塩そば」は、週一で丁寧に仕込まれる透明な豚のスープを使った逸品。サイドメニューの焼豚も見逃せない。日曜日にはオーナー自らが厨房に立ち、当日明かされるメニュー、限定Aも登場。吉野店長のいち押しは、一番人気のノンオイルの「牡蠣山椒塩そば」。梅ヶ丘店限定のメニューもある。本店の美学と梅ヶ丘ならではの個性を持ち合わせている、再訪必須の店。10月末より加わった新メニュー「釜揚げらーめん」もお見逃しなく。
柴崎亭 梅ヶ丘店
住所:東京都世田谷区梅丘1-23-5 1F
営業時間:平日 11:00~23:00、土曜・日曜・祝日 11:00~21:00
定休日:なし
柴崎亭 Twitter
豪徳寺|ソラナカ
思わず手が伸びてしまう、塩味が癖になる焼鳥
豪徳寺駅から歩いてすぐの小さな路地を進むと見える、暖かなオレンジ色の光。木の扉を開くとこじんまりとした店内にカウンターとテーブル席が2つ、そして焼き場に明るく笑顔で迎えてくれる男性が2人。元々、前のオーナーが2002年に開業した店を引き継ぐ形で2012年から2人で「ソラナカ」を営み、15年以上この地で愛され続けている。新鮮な鶏肉と豚肉を火力の強い炭火で焼く、串ものを中心とした店だ。1本100円からという価格に、小ぶりなサイズは女性でも食べやすく、様々なメニューに手が伸びてしまう。特に人気なのはレバーとつくね。おすすめの味付けは、塩だ。高知県の天日塩「あまみ」という銘柄をずっと使っているという。熱々の肉に塩がアクセントとなり、何本でも食べてしまいたくなる。「ご夫婦でいらしていたお客さんが子どもができてまた戻って来てくれることもあるんです」と話すのも納得。気さくな2人がいつも優しく迎えてくれ、またここに帰ってきたくなるような店だ。
ソラナカ
住所:東京都世田谷区豪徳寺1-22-14
TEL:03-5477-6558
営業時間:18:00~24:00(なくなり次第終了)
定休日:木曜、第1・第3水曜
経堂|しずる 経堂店
胃袋も心も満たされる温かい定食屋
経堂駅南口から歩いてすぐの場所にある定食屋「しずる」。オープンキッチンでカウンターのみの席は一人でも立ち寄りやすい。お昼も夜も変わらない8種類の潔い定食メニューは、「千円でおなかいっぱいになってほしい」という思いから始まった。小さな子どもから90歳の方まで老若男女が訪れ、毎日来る常連さんもいるという。その理由は、柔らかいお肉と心のこもった対応にある。人気の「牛ハラミ焼き定食」は、焼き加減にこだわったレアで赤みが美しく、口に含んだ瞬間にほろっととろけるように旨味が広がり、ごはんがどんどんすすむ。オニオン、焼き肉ダレ、塩ダレ、にんにく醤油の4種類からソースを選べるから、次に訪れる時に違う味付けを楽しみたくなる。そしてなによりお客さん一人ひとりに寄り添うような対応がとても気持ち良い。食事をして店を出ると姿が見えなくなるまで見送る温かさは、胃袋も心も満たしてくれる。
しずる 経堂店
住所:東京都世田谷区経堂1-22-18
TEL:03-3429-6677
営業時間:11:30~14:30、17:30〜22:00(なくなり次第終了)
定休日:水曜
祖師ヶ谷大蔵|キッチンマカベ
野菜をたっぶり使ったジンジャーソースが自慢のポークジンジャー
祖師ヶ谷大蔵駅の北口から徒歩2分。1961年に現在地の三軒ほど隣にオープンした「キッチンマカベ」は、現在シェフを務める兵藤さんの父が洋食と中華の店として始めた。当時は5坪ほどしかなかったが、90年代後半に現在の場所に移転、席数は5倍に増えた。「どんな人が来ても食べられるように」とオムライス、ハンバーグ、カレー、ピラフなど洋食のスターたちがずらっと並ぶメニュー表には小さな子供も学生も大人も誰もが顔をほころばせる。どのメニューにも様々なこだわりがあるというが、まかないから生まれた「ポークジンジャー」が人気だ。フライパンとオーブンを使いカリッとジューシーに焼き上げたリブロースにジンジャーソースが絡み、玉ねぎとにんじん、生姜をたっぷり使ったソースが味をまろやかに引き立てる。下積みはフランス料理だと話す兵藤さんの真骨頂だ。フロアを守るのは奥様、そして息子さんも三代目として厨房に入る。こうして味は引き継がれていくのだ。
キッチンマカベ
住所:東京都世田谷区祖師谷3-1-15
TEL:03-3482-3748
営業時間:平日 11:30〜14:30、17:00〜21:00/土曜・日曜・祝日 11:30〜15:00、17:00〜21:00
定休日:木曜、隔週水曜
記事の最後に掲載したのは、世田谷ミッドタウンにアトリエを構えるイラストレーター・オガワナホさんによる「MEET THE MEATマップ」。「世田谷ミッドタウン パン屋マップ」、「世田谷ミッドタウン 餃子マップ」、「世田谷ミッドタウン カレーマップ」、「世田谷ミッドタウン コーヒー&サムシングマップ」に続く第五弾です。
このマップは紹介した各店や地域のお店などで配布します。これを機会に世田谷ミッドタウンをぶらり散歩してみてください。素敵なMEETがありますように!